AquaSKK プロジェクト::心地良い入力をサポートするシンプルな学習戦略

かな漢字変換におけるイライラの一つに、 さっき変換したばかりの候補がなぜか表示されない、というものがあります。 例えば、「最高」を変換した次の変換で、「再考」が表示されたりする。 誰しも一度は経験したことがあるのではないかと思いますが、これはなかなか腹立たしいものです。

どうすればこの問題を解決できるのか。SKK はシンプルに切り込んでいきます。

かな漢字変換のイロハ

そもそもかな漢字変換を実現するには、ひらかなの「読み」と、 対応する「変換候補群」という情報、いわゆる辞書が必要です。

ここで読みとして「さんじ」が入力されると、 かな漢字変換は辞書を検索し、対応する変換候補群の「参事、惨事、…」を順に見せて選ばせます。 候補の表示される順番が適切で狙い通りならテンポ良く、そして気持ち良く入力することができるでしょう。

まさにこの表示順が、使い心地を左右する重要なポイントであり、かな漢字変換の個性が際立つところでもあるのです。

単純に考えよう

直感的でより自然な変換のために SKK が取る戦略は、 確定した候補を最高の優先度で学習する というシンプルなものです。例えば下の図で左から 4 番目の候補である「感じ」を確定したとします。

するとこの候補の優先度を一番高くして、読みと変換候補群のペアがユーザー辞書に記録されます。

もうおわかりですね。次に「かんじ」を変換すれば、一番最初の候補として「感じ」が表示されます。 ついさっき変換した候補が次の変換で最初に表示される。この単純明快な挙動が、心地良さと信頼感を生み出します。

補完精度も向上する

同じような仕組みで、補完精度も向上します。 例えば以下の図では、読み「あ」で最初に補完されるのは「あつあげ」です。 ここで、3 番目の「あつかん」を確定したとします。

すると、この読みと変換候補群のペアの優先度が最高になり、ユーザー辞書の先頭に移動します。

この結果、次に「あ」で補完されるのは「あつかん」になります。 縦・横の向きが異なるだけで、基本的な考え方は先程と同じです。 候補を確定する度に、この縦・横の移動が同時に発生し、優先度が入れ替わり、ユーザー辞書に反映されていきます。

万が一に備える

手塩にかけたユーザー辞書はあなたの大切な財産です。万が一に備え、定期的なバックアップをお勧めします。 ああほら、ハードディスクから不吉な音が聞こえてきませんか? ガリガリゴ、ゴゴゴキ......

まとめ

使うほどにユーザー辞書が鍛えられ、自然と快適になっていく仕掛けを見てきました。

ユーザーの手癖を貪欲に吸収することで、 一人ひとりにフィットした入力環境を提供する。 その心地良さは、 時代とともに日本語が変わっていったとしても失われることはありません。

SKK はあなたの入力嗜好を、誰よりも正確に記憶しているのです。